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「危険ドラッグ」吸ってナイフで切りつけたが「覚えてない」 無罪の可能性がある?
東京都世田谷区のマンションの一室に侵入し、女性をナイフで切りつけて顔にケガさせたとして、隣の部屋に住む31歳の男性が12月3日、傷害罪の容疑で現行犯逮捕された。
報道によると、男性は「危険ドラッグ」を吸引していたとされる。突然女性の部屋に侵入し、奇声をあげながら室内にあったナイフで女性を切りつけ、顔や手などにケガをさせた疑いが持たれている。男性は、警察の取り調べに対して「しぇしぇしぇのしぇ」など意味不明な発言を続け、マスコミのカメラに向けて笑顔でピースサインをするなど、奇行ともいえる行動をとっている。
ところが、12月4日東京地検に身柄を移された後の取り調べで、男性は「何も覚えていない」などと述べ、傷害の容疑を否認しているという。
法律的には、自分が何をしているかが分からず、自分の行動をコントロールできないような状況を「心神喪失」といい、そうした状態だと「責任能力がない」として、無罪になる場合もある。危険ドラッグを吸引して犯罪行為をして、後で何も覚えていないといった場合はどうなのだろうか。刑事事件にくわしい神尾尊礼弁護士に聞いた。
介護タクシー職員の過失でケガした女性の遺族が訴えられる→訴えた運営会社が96万円支払うことで和解成立
介護タクシーを利用していた女性が自宅前で降車したあと、スタッフに付き添われながら自室に移動した。そのときに右足に皮下組織が露呈するような大ケガを負い、数日後に亡くなった。
介護タクシーの運営会社(埼玉県東部地域)は、ケガについての過失を認めつつも、死亡との因果関係は否定して、女性の遺族を相手取り、債務不存在を確認する訴訟を起こした。
今年1月、会社側が遺族に約96万円を支払うことで和解が成立した。
だが、いまだに詳しい事故の経緯や死因がわからないことから、女性の息子であるアキラさん(仮名・40代)は気が晴れないでいる。(ライター・渋井哲也)
「音信不通」片山被告人の主任弁護人が会見「彼が無実であることは間違いない」
PC遠隔操作事件で、片山祐輔被告人(保釈中)の主任弁護人を務める佐藤博史弁護士が5月19日、片山被告人と連絡が取れなくなっていることを記者会見で明らかにした。真犯人を名乗るメールを片山被告人自らが送ったのではないかという報道もあり、佐藤弁護士は「(報道に)ショックを受けてしまったのではないか」「片山さんにはメールを書く動機がない」と語った。
事件をめぐっては、16日に「真犯人」を名乗るメールが送信されたが、片山被告人は同日開かれた記者会見で自身の関与を否定していた。
しかし16日よりも前に、片山被告人が東京都内の河川敷で不審な行動をとっていたことが捜査関係者に目撃されていたと、19日午前に報道された。その場からは埋められたスマートフォンが発見され、そのスマートフォンには、真犯人を名乗るメールアドレスの痕跡があったという。
妊娠していない女性は「離婚後すぐ再婚」が可能にーー違憲判決の担当弁護士が喜びの声
民法で定められた女性の「再婚禁止期間」について、100日を超える部分は「憲法違反」だと、最高裁は昨年12月の判決で述べた。それを受け、法務省が3月、民法改正法案を国会に提出する予定だと報じられている。
報道によれば、法務省の改正案は、現在6カ月とされている女性の再婚禁止期間を100日間に改める。さらに、離婚時に妊娠していなければ、離婚後100日以内であってもただちに再婚を認めるという内容だという。
このたび報じられた改正案について、再婚禁止期間訴訟で違憲判決を勝ち取った作花知志弁護士は「担当弁護士として、この上ない喜び」と、弁護士ドットコムニュースにコメントを寄せた。「法改正が実現すれば、ほとんどの女性にとって、再婚禁止期間は全廃されたのと同じ」と高く評価している。
【マンガ】「オレを休ませる気はある?」育児放棄のモラ夫、嫌がらせは離婚後も続いて…(上)
離婚にあたって、避けられないのがお金の問題です。特に子どもがいる場合には、養育費の取り決めがその後の生活に大きく響いてきます。
ただ、夫婦関係が悪化すると、とにかく早く離れることが最優先となってしまい、きちんと取り決めをせずに離婚してしまう人も多いようです。
今回の漫画の主人公で、専業主婦の真理子(34)もその一人。夫・圭太(41)のモラハラに悩まされ、ついに離婚を決意しました。長女・亜美(7)の親権は真理子が持つことになりましたが、夫に言われるがまま月々の養育費をもらわないことにしてしまいました。
さらに離婚して1年が経つと、圭太は態度を豹変してきて…。果たして、真理子の運命は?
嵐・松潤が弁護士役のドラマ「99.9」、刑事事件の有罪率がこれほど高い理由は?
人気アイドルグループ・嵐の松本潤さんが主演するドラマ、「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS系)が4月17日にスタートした。
松本さんが演じる深山(みやま)大翔は、隠された事実を追い求める破天荒な刑事専門弁護士だ。所属する事務所の刑事事件専門チームの室長である佐田篤弘(香川照之さん)から、情状酌量を探るように言われても、「肝心なのは調書より事実」と譲らない。
タイトルは、日本の刑事裁判では、起訴された場合、ほぼ確実に有罪判決がくだされる、つまり「99.9%」有罪になってしまうことからつけられた。深山が追求しているのは、残りの0.1%ということになる。
2014年度の犯罪白書の統計を見ても、刑事事件の確定判決33万7794件のうち、有罪判決は33万7358件で、たしかに「99.9%」が有罪の状況だ。日本の刑事裁判では、なぜ無罪になる可能性がこれほど低いのか。刑事事件に詳しい徳永博久弁護士に聞いた。
乳腺外科医の準強制わいせつ事件 最高裁判決を受け、弁護団が声明「過酷な試練を与える非人間的な判断」
手術直後の女性患者にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた男性医師の上告審判決は2月18日、懲役2年の逆転有罪判決を言い渡した2審・東京高裁判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。最高裁第二小法廷(三浦守裁判長)の裁判官4人全員一致の意見。
判決を受けて、被告人の弁護団は期日後に声明を発表した。以下、その全文。
「原判決の事実認定が不合理で著しく正義に反するとした点は当然である。
しかし、ただちに無罪を確定させることなく、本件を東京高裁に差し戻したという点は、あまりにも中途半端であり、事件から6年経過した本件について、さらに被告人の立場に置かれ続ける個人に対して甚だ過酷な試練を与える、非人間的な判断であったと言わざるを得ない。
今日の判決は、東京高裁判決の逆転有罪の最大の根拠となった医師(編注:検察側証人)の証言が信頼できないことを明確に指摘した。
さらに高裁判決が有罪の根拠にしたDNA定量検査の検査結果の信頼性が不十分であることも指摘している。そうであるならば、検察官が有罪の立証に失敗したことはすでに明白であるから、最高裁は一審無罪判決を是認し、検察官の控訴を棄却すべきであった。
しかるに、DNA定量検査の信頼性についてさらに審理をさせるというのは、これまでの審理経過から考えて時間の無駄である。なぜならば、科捜研は、定量検査の根拠となる検量線や標準品の増幅曲線、DNA抽出液自体を既に廃棄している。この状態で、定量検査の信頼性を客観的に評価することはそもそも不可能だからである。
さらに今回の判決の不十分な点を指摘するならば、そもそも科捜研が鉛筆書きで多数の書き換えが行われたワークシートしか残さず、検証を行うための資料をすべて廃棄していることを踏まえて、こうした検査結果を刑事裁判の証拠に使うことは許さない、という明確な判断をすることができたはずである。
それこそ法律審である最高裁が行うべきことであった。それにもかかわらず、そうした判断をせずに、不毛な審理をさらに続けることを要求するのは、被告人とその家族にとって甚だ過酷な状況を強いるものである。非人道的というべきである」
「労働基準監督署」が悪質な経営者を「逮捕」…捜査権限は警察だけでなく監督官にも
岐阜労働基準監督署は3月22日、外国人技能実習生に違法な長時間労働をさせたなどとして、最低賃金法と労働基準法に違反した疑いで、岐阜県内の婦人・子供服製造会社社長と、技能実習生受け入れ事務コンサルタントを逮捕した。
報道によれば、2014年12月〜15年8月、中国人技能実習生4人を岐阜県の最低賃金に満たない額で、1日8時間の法定労働時間をこえて働かせた。割増賃金も支給せず、不払い賃金は計475万円にのぼるとみられる。2人は、労基署の立ち入り調査に応じなかったり、虚偽の説明を繰り返したことなどから「悪質性が高い」と判断され、逮捕にいたったようだ。
労働基準監督署の「逮捕」は異例とされるが、逮捕に至ったのは、どのような理由があったのだろうか。また、労働基準監督署が「逮捕」できることに驚いた人もいるかもしれない。労働基準監督署にはどのような権限があるのだろうか。野澤裕昭弁護士にきいた。
恋人や配偶者の携帯電話を見てトラブルにならないようご注意を
恋人と付き合う、あるいは配偶者との結婚生活を通じて、相手への愛情が深くなっていくほど、浮気の心配は出てくるものだ。「自分以外にも付き合っている相手はいないだろうか?」「他の女性とこっそり会ったりしていないだろうか?」不安な気持ちを抱えたまま付き合っていると、些細な言動が気になり、喧嘩や、時には別れに発展することもある。
そんな不安を払拭したいと、相手の携帯電話を見たいと思うこともあるだろう。しかし、通常は自制心が働きなかなかそうはしないものだ。ただ、仮に相手が携帯を机の上に置いたまま外出をした、相手がシャワーを浴びているすきに携帯電話が鳴ったなどの状況で、衝動に駆られメールや着信履歴を見てしまった場合、どの程度の法律違反にあたるのだろうか。プライバシー問題に詳しい堀晴美弁護士に話を聞いた。
●慰謝料の請求対象になるが、実際に請求されることはまれ
「たとえ、恋人や配偶者であっても、携帯電話の内容をみることは、原則としてプライバシーの侵害になり、民法上の不法行為に該当し、慰謝料の請求対象になります。」
「ただ、全くの第三者の携帯電話の内容を見る場合と違って、恋人や配偶者の携帯電話の内容は、不貞行為の証拠として裁判所で採用されることが多く、不貞行為を認定する際の決め手になることが多々あります。その場合、無断で携帯電話の内容を見たことが不法行為として慰謝料を請求されるケースはまれだと言えます。ですから、相手方の不貞行為が疑われたら、携帯電話のメールを証拠とし保存しておくことが必要になります。」
「ただし、原則として、相手方の了解なく携帯電話の内容をみること、そしてそれを保存しておくことは、プライバシーの侵害にあたり、不法行為として慰謝料を請求される可能性があるということは、心にとめておいた方がよいと思います。そして、できれば他の証拠で不貞行為を立証できるようにしておくことが必要かと思います。」
一方、見る気はなかったが、相手が携帯電話をいじっている最中に画面が視界に入り、他の異性に送っている親密なメールを見てしまったことでトラブルに発展した場合、これも法律違反になるのだろうか。再び、堀弁護士に聞いた。
●故意の有無によって違法性が異なる
「この場合は、上記の件とは違って、『偶然見てしまった』つまり故意がないわけですから、不法行為は成立しません。従って、慰謝料を請求されることもありません。」
「この場合も、不貞行為の証拠としてメールの内容を証拠として保存しておくことが必要になりますが、保存することは、単に見てしまったということとは異なり、故意がありますから、やはり原則としてプライバシーの侵害に該当します。」
「ただ、この場合も、上記のケースと同様、不貞行為の証拠としてよく使われますし、その場合に、プライバシーの侵害にあたるとして慰謝料を請求されるケースはまれです。ただし、保存しておくことはプライバシーの侵害にあたるということを心にとめておいてください。」
個人の携帯電話は恋人や配偶者も踏み入れられない、極めてプライベートな領域である。そのため浮気の証拠をつかみたいと考えている場合、携帯メールや着信履歴は格好の材料となるだろう。しかし、相手方の了解なしに携帯電話を盗み見ることは、プライバシーを侵している事であり、場合によっては慰謝料を請求されることもある。堀弁護士も指摘しているように、相手方の浮気調査を行う場合には、まず違法性のない別の手だてを検討してみてはどうだろうか。
文化祭で人気の「カジノ風ゲーム」は違法?お菓子を賭けるならOK? 弁護士が教える参加費や景品ルールの注意点
文化祭の出し物として「カジノ」を企画し、お菓子を賭けて遊びたい──。
都内の私立中高一貫校で文化祭の実行委員をつとめる中学2年の女子生徒は、学内から上がったそんな案に「違法じゃないの?」と不安を感じているといいます。
文化祭の出し物ですから、カジノ風ゲームといったところでしょうが、それでも注意が必要です。刑法上、金品を賭けて勝敗を争う行為は「賭博」として処罰の対象となるからです。
一方、SNSでは、学校の文化祭で「カジノ」をやったという投稿も散見されます。安全に楽しむには、どんな点に気をつければよいのでしょうか。学校問題にくわしい柴崎菊恵弁護士に聞きました。