新着記事

1102.jpg

香川県ゲーム規制条例で違憲訴訟準備の高校生、裁判費用のクラファン立ち上げ「全力で戦いたい」

香川県のネット・ゲーム依存症対策条例は憲法に違反するとして、県を提訴する準備をすすめている高松市在住の高校3年、渉さん(17歳)が6月19日、裁判などにかかる費用を集めるクラウドファンディング( https:/camp-fire.jp/projects/view/271398 )を立ち上げた。

クラウドファンディングの目標額は500万円で、弁護士費用のほかに、憲法学やゲーム依存症の専門家に意見書を求める際に必要な費用などに使用する予定だ。提訴は今年9月を目指している。

「最高裁まで戦いたいと思っています」と渉さん。その思いをインタビューした(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

この条例は、全国で初めてオンラインゲームなどに対する依存症から子どもを守る目的で、4月に制定された。しかし、保護者に対して、子どものゲームの利用を1日あたり60分までにする努力義務を課しており、利用時間まで県が定めることは「行き過ぎ」と指摘されている。

香川県弁護士会(徳田陽一会長)も5月25日、憲法に違反するおそれがあるとして、廃止を求める会長声明を発表。ゲーム利用時間を1日60分までという努力義務の条項については「即時削除」を求めている。

県内外から批判を集めている条例だが、香川県の高校生である渉さんは、当事者としてこの条例に真っ向から反対してきた。

今年1月、渉さんはネット上で、条例の素案に対する反対署名を募り、3週間で寄せられた595筆を県議会に提出。当事者である子どもたちの声も聞くよう訴えた。

しかし、条例の素案は非公開の委員会で議論されたうえで県議会に提出され、県民から集めたパブリックコメントの内容すら十分に公開されていない。

中学生のころから、政治的な問題に関心を寄せてきたという渉さん。「ただ、国会の動きを見ても、どこか自分とは関わりのないことだと思っていました。でも、この条例の素案をニュースで知ったとき、直接自分に関わることだし、ゲームの利用時間はそれぞれの家で決めることだと思いました」と話す。

「自分が行動しなかったら、ほかの誰が行動するのか」。今までは、どこかの誰かが行動してくれていたが、自分で行動してみようと背中を押された。ネットで署名活動もおこない、賛同の輪は広がっていった。

しかし、3月の県議会で条例は成立してしまう。採決の場にいた渉さんは、こう振り返る。

「賛成意見を述べていた議員は、ゲームは絶対的に悪で、まるで覚せい剤のような悪いもののような言い方をされていました。しかし、僕が署名活動をしたように、反対意見の人たちも多い。議会制民主主義では、そうした声を代弁するために議員がいるはずなのに、ほとんど聞かれなかった。選挙で彼らに投票した人たちはどう思うのでしょうか」

残された手段が裁判だった。提訴を模索する中、弁護士ドットコムニュースで、作花知志弁護士が、条例の違憲性について指摘している記事を見た( https://www.bengo4.com/c_1017/n_10940/ )。作花弁護士に連絡を取り、正式に依頼することになった。

クラウドファンディングも、作花弁護士が関わっている選択的夫婦別姓を求める訴訟に関係するプロジェクトからヒントを得た( https:/camp-fire.jp/projects/view/217790 )。

「切り詰めてやるより、全力で戦いたいと思い、クラウドファンディングで支援を求めることにしました。

裁判では、直接条例の廃止を求めることは難しいと思っています。ですから、できたら最高裁までいって違憲判決を出してもらう。最高裁判決ともなれば、香川県議会も廃案を検討せざるを得ないでしょう。

また、第三者委員会を立ち上げてもらい、条例可決までのプロセスでも問題がなかったか、きちんと調べてほしいです。それが最終的な目標です」

すでに、訴訟費用を支援したいという申し出が寄せられているという。

「振込先を教えてくださいとも言われてありがたいのですが、個別にいただくより、公共性の高いクラウドファンディングで支援していただき、透明性を保ってやりたいです」

県内の高校生たちはどう受け止めているのだろうか。渉さんの高校では、条例の可決後、教師からは「こんな条例ができた」という説明があったという。

「しかし、塾や習い事があって夜10時以降しかゲームができない家庭もある。先生は、家庭でそれぞれ決めることだという立場をとってくれています」

一方で、「実際に条例は可決されましたが、実際にあらためて家族で話し合った家は少ないと思います」とも話す。条例の存在は知っていても、どういうものなのか、よく内容を知らない人が少なくないのだという。

「たまたま、弁護士ドットコムニュースのようなサイトを見たり、ツイッターで流れてきたとか。それで僕の活動を知ったという人は多いです。

同年代の人には、もっとこの問題を知ってほしいし、関心を持ってほしいです。みんな条例を無視して、ゲームをしていますが、実際にこういう条例があることに対して、ぜひ声をあげてほしいです」

折しも、コロナ禍によって休校が余儀なくされる中、ネットでは「 #PlayApartTogether 」というタグとともに、自宅でゲームをしながら過ごそうというキャンペーンがゲームやネット企業の呼びかけで始まっていた。

条例が施行される直前、WHOのテドロス事務局長もこのキャンペーンを推奨するツイートをしている。

「香川県の条例はWHOの勧めにも反することになるのではないでしょうか」と渉さん。提訴に向け、協力と支援を呼びかけている。

3237.jpg

<安保法案>「正統性のない国会議員が立法するのは狂気の沙汰」 弁護士が批判

国政選挙の「一票の格差」の問題について、6年前から違憲訴訟を提起しつづけている升永英俊弁護士と久保利英明弁護士が7月30日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いた。二人の弁護士は、国会で審議されている安保法案について「正統性のない国会議員が立法しようとしているのは狂気の沙汰」と厳しく批判した。

升永弁護士と久保利弁護士を中心とする弁護士グループは、衆議院選挙と参議院選挙の「一票の価値」が選挙区によって差があるのは憲法に違反するとして、裁判を起こしてきた。これまでに複数の高裁で違憲判決が出ており、最高裁も選挙が違憲状態だったと認める判決を出している。

そのような違憲状態の選挙で選ばれた国会議員には正統性がない、と升永弁護士は主張する。この日の記者会見で、升永弁護士は、昨年11月の最高裁大法廷判決の補足意見を引用しながら、次のように述べた。

「違憲状態の選挙で選ばれた国会議員は国会の活動をする正統性がない、と5人の判事が言っている。つまり、国会活動をする正統性がない議員が、立法活動をしたり、総理大臣を選んだり、総理大臣になって行政権を行使している。これはとんでもない、クレイジーなことだ」

そのうえで、「安保法を通そうとしている人たちには正統性がない。正統性のない人たちが国会議員と名乗ってやっているのだから、話にならない。木の根が腐っている。安保法を作ろうとしている人たちはその資格をもっていないということが広がれば、この法律は止められると思う」と指摘した。

続けて、久保利弁護士も新聞に掲載した意見広告を掲げながら、「正統性のない議員が安保法を立法するなど、狂気の沙汰。立法しようとする議員に正統性がないと、みなが気づけば、この法案は吹き飛ぶ。一発撃沈の議論だ」と強調した。

(弁護士ドットコムニュース)

17979.jpg

交際中の人妻が妊娠、一緒になりたいのに夫が徹底抗戦「絶対離婚しないぞ!」

15295.jpg

「ブラックバイトで学校を辞めさせない」介護労働で奨学金返済、授業との両立支援

今や大学生の2人に1人が借りている奨学金。大学の学費は年々上昇している一方で、世帯年収は減り、仕送りの金額も過去最低になっている。「大学に行きたい」「もっと学びたい」という学生には、大切な教育資金だが、4年後の大学卒業時に借金を背負って社会に出ていくことを意味する。

無利子、有利子の貸与ではなく、給付型の奨学金の国による創設をねがう声が高まっているが、望む人すべてが利用できるようになる日はまだまだ遠そうだ。そんな中、国や行政の動きよりも一足早く2015年、インターシップ型自立支援プログラム『ミライ塾』が発足した。介護施設で働いて、収入を得ながら奨学金を返済していくという。その動きを追ってみた。(ルポライター・樋田敦子)

5155.jpg

わいせつ動画配信事件で「FC2」創設者に逮捕状 「国際海空港手配」とはなにか?

6043.jpg

「サマーウォーズ」のアニメ制作会社に是正勧告 「長時間労働で倒れて救急車に…」

『サマーウォーズ』や『若おかみは小学生!』などの作品で知られるアニメ制作会社「マッドハウス」(東京都中野区)が、労使協定で定められた上限を超える違法な時間外労働と、割増し賃金の未払いがあったとして、新宿労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが、5月17日わかった。

ブラック企業ユニオンが同日、東京・霞が関の厚生労働記者クラブで会見を開いて、明らかにした。勧告日は4月17日。

勧告内容は、(1)労使協定の特別条項で、月60時間までの時間外労働を定めていたが、月100時間を超える時間外労働があった(労基法32条違反)、(2)時間外割増し賃金50時間・深夜割増し賃金50時間分は「固定残業代」となっていたが、50時間を越えた分については未払いとなっていた(労基法37条違反)――というもの。

同社で、アニメ制作のスケジュールやスタッフ、素材を管理する制作進行の男性が今年4月4日、労基署に申告したことがきっかけ。

男性はブラック企業ユニオンの記者会見に同席して、月最大393時間の労働時間、37日間の連続勤務など、すさまじい勤務実態があったことをうったえた。ある日、帰宅途中で倒れて、救急車で運ばれ、その後、心因反応と診断されたという。

男性が加入するブラック企業ユニオンによると、労基署の是正勧告と団体交渉を経て、マッドハウスは、過去2年分の未払い残業代を支払うとしているが、どれくらいの時間外労働があったかについては争いがあるという。

同社は、弁護士ドットコムニュースの取材に「是正勧告を受けて、適切に対処している」とコメントした。

(弁護士ドットコムニュース)

8665.jpg

「盆休み」は有給休暇をあてるように言われたーーこんな会社の対応に問題ないの?

5429.jpg

パンサー尾形「子づくりに支障」と猛反対…妻が「坊主」にしたら離婚できるのか?

もし妻が「坊主にしたい」と言い出したら、どうしますか? バラエティー番組「水曜日のダウンタウン」(3月25日放送、TBS系)で、「嫁『坊主にしたい』と言い出して夫から許可もらうの困難説」の検証が行われました。3組の芸能人夫婦を対象に、妻から「坊主にしたい」と言われた夫の反応をモニタリングするドッキリ企画です。

3組の中で、もっとも激しく拒否したのは、お笑いトリオ「パンサー」の尾形貴弘さんでした。妻のアイさん(一般女性)から自宅リビングで「坊主にしたい」と切り出されると、ショックを受けて「絶対無理だわ。女として見れないよ」とテーブルに突っ伏してしまいます。

尾形家ではすでに1児を育てていますが、2人目も希望しています。「もう1人子ども作るつもりでいるでしょ? アイちゃんも」「愛とはまた別なんだよ 愛してると坊主はまた別の話だから」。しぶとく坊主の要求を通そうとする妻に頭を抱えます。

実際に尾形さんが許可したかどうかはネタバレになるので言及しませんが、最終的にドッキリだと知って「本当に子ども、もう1人ほしかったんで」と安堵の表情を浮かべました。

好きな髪型にする自由は、夫婦それぞれに認められるべきです。しかし、子どもを希望する夫婦の場合、妻が坊主にすることは離婚の理由になりえるのでしょうか。

13795.jpg

セブンのサンドイッチ、「中身スカスカ」で騒動に…「上げ底惣菜」に法的問題は?

セブンイレブンの「厚焼たまごミックスサンド」のパンを剥がした画像がネットで話題になっている。包装越しにみると、大きな厚焼たまごが入っているように感じるが、中身はスカスカだったというのだ。

画像によると、表から見えていたのはペラペラのたまご焼き。中央に四角いたまご焼きも入っているとはいえ、三角形の中に収まるサイズだから「余白」が大きい。

ネットでは以前から、セブンの一部弁当容器の「上げ底」を指摘する声もあり、今回、厚焼たまごが2つに分けられていることもあいまって、「ステルス値上げ」を疑う人が多かったようだ。

13731.jpg

ビ・ハイアのパワハラ訴訟、遺族ら「奴隷的な生活」訴え 社長は「事実無根」と反論

アニメや漫画、ゲーム関連の求人サイトを運営する「ビ・ハイア」(清水有高社長)で働いていた女性(当時30)が自殺したのは、社長のパワハラが原因だとして、女性の遺族と元同僚2人が損害賠償などを求めた裁判の第1回口頭弁論が1月11日、東京地裁(佐久間健吉裁判長)であった。

遺族らは法廷で意見陳述し、「劣悪な状況にひたすら耐えてきた。無念が晴らされ、真実が明るみになるよう願っています」と訴えた。社長側は事実に反するとして、請求の棄却を求めている。